広島東洋カープの穴は本当に丸佳浩選手なのか

リーグ3連覇を成し遂げ、チーム人気も最高潮になってきた広島東洋カープ

その3連覇の立役者の一人に間違いなく丸佳浩選手がいたと思います。

類稀なる集中力、選球眼、人一倍熱心な研究力、チームをまとめるリーダーシップ、後輩のいいお手本、そしてMVPの獲得。

広島ファンにとって、そして広島東洋カープにとって欠かせない選手だったことは間違い無いでしょう。

 

しかし今年度からFA権を行使し、巨人へ移籍してしまいました。

広島ファンの落胆はどれほどだった事でしょう。丸選手が抜けてから、不調続きの広島ですが果たして本当に広島の穴は丸選手なのでしょうか?

 

2018年に広島を退団した選手として、丸選手、エルドレッド選手、天谷選手など様々な名前が上がりますが、新井選手というベテラン選手も昨年度引退しています。

新井選手は、ベテラン選手ながら若手選手顔負けの全力プレーや、その人柄から広島以外の球団にもファンが多い選手でした。阪神へ移籍しましたが、その後広島に戻ってからはキャリアハイとも言える成績を残し、あの黒田投手と25年ぶりの広島優勝に貢献した大選手です。しかし、成績だけではなくその「全力を尽くす」プレースタイルは多くの若手選手にも刺激を与えていました。チーム1のベテランとも言える選手が、全力でプレーし、試合裏では血気盛んな若い選手の仲裁にも入っていたという話です。チームの精神的支柱とも言える選手が抜けてしまい今年は4連覇を狙うチームが下位でくすぶっています。

 

確かに丸選手の打撃を見なくなってしまい、点が入りにくくなってしまったという事もあったでしょう。しかしそれと同時に広島の持ち味である「泥臭い全力プレー」もあまり見られなくなってしまったようにも感じます。それは新井選手の存在も大きく影響しているように感じます。チームメイトのファインプレーを自分のことのように喜び、誰よりも大きな声で応援していたあの新井選手はもうベンチにも、どこにも居ません。

大きな存在感の選手が一気に居なくなってしまい、チームの雰囲気や活力は変わってしまった事でしょう。しかしそれでも試合を続けていかなければなりません。

 

丸選手が巨人に移籍し、人的補償として巨人のベテラン長野選手が広島に移籍しました。しかしなぜ「長野選手」を獲得したのでしょうか。

長野選手は他チームのドラフト指名を蹴って巨人を逆指名した生え抜きの選手です。

そんな選手を何故広島が獲得したのかと思いましたが、チームの雰囲気を鑑みると不思議なことではありません。長野選手はファンサービスにも余念が無い巨人でも愛される選手です。外国人選手と話す際はご自身も英語やスペイン語を勉強するなど大変な気遣いのできるベテラン選手です。遠征に行った際は、お土産として球団のスタッフや清掃スタッフにも手土産を唯一持ち帰る等人柄が伺える暖かいエピソードも沢山あります。

 

こんな優しい、気遣いの塊のような選手がもしかすると今の広島に必要な選手なのかもしれません。新井選手が抜けてしまった今、チームのメンバーとして頭数だけでも、成績だけでもなく、暖かく大きな人柄を持つ長野選手が広島に良い影響を与えることを期待しています。

 

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