人生で一番酷い結婚式に行って親友と絶縁した話

今年の厄は今年に落とそう。そう決めてあまり触れたくないこの話題について書いてみることにしました。

 

冬に入院してしまったわたしが、退院して1ヶ月も立たない頃に招待されていた結婚式に行く予定が差し迫ってきていました。

元々行くと約束していましたが、自分の体調に関して正直不安でした(結局体調は全快しましたが)しかも、同じテーブルの女性陣(あんまなかよくない)が、みんな着物でくるからね!と声をかけられていたので実家から着物を取り寄せ、簪も新調し準備は万端でした。

体調が良くない中着物で身体を締め付けるのはどうなんだ・・・?と思いましたが一応約束なので訪問着を着ることに決めました。振袖もあったのですが、さすがにアラサーで振袖は恥ずかしいかな?と思い実家にある着物の中で一番渋い色味の訪問着を用意しました。 

さて、わたしが何故ここまで振袖を気にしたり、渋い色味の訪問着を選んだかというとよくある「結婚式の会場に元彼がいる」からでした。

今となっては付き合っていたかどうかも謎に近しい彼でしたが、とにかく奴は確実に会場にいることがわかっていたので正直億劫ではありました。いい出会い方でも、いい別れ方でもなく奴のせいでかなり傷つくことが多かったので、正直本当に顔を合わせたくない奴でした。おまけにわたしもいい歳ですし、まだ独身なのね!と嘲笑われるのも面倒だったので振袖はやめて、あえて一番落ち着いた着物を選び当日を迎えることにしました。

 そのうえ、披露宴の場所も遠方な上新婦以外の誰にも会いたくなかったので着付けは住んでいるところで済ませ、そのまま新幹線に乗り、夕暮れ時の披露宴会場へ向かいました。開始時間のギリギリに到着し、おそらく奴が座っているであろうテーブルには背を向けたままそっと席に着きました。

 披露宴がはじまると、どうしても背面を向いて拍手する場面があったので奴の存在と噂で聞いていた婚約者の方が並んでいるのが見えました。いい席に座りやがってな〜と思いながら粛々と進む披露宴の進行を見守っていると、ファーストバイトがはじまりました。あまり人前でこういったことをしたがらなさそうな新婦が、こんなイベントをするなんて本当に幸せなんだなあ、よかったなぁと見守っていた矢先、何故かファーストバイトで奴の名前が読み上げられました。

 

「お二人が出会うきっかけとなったのは、奴さん(仮称)です、どうぞ壇上までおあがりください」

 

呼び出される奴、見守るわたし、そして紹介される奴とのエピソード・・・そしてこの時ふと思い出したのは、奴にわたしの友人(新婦)を紹介する元になったのはわたしだったなと、この出会いの根源はわたしなのでは・・・?と疑問を感じながら壇上を見つめました。

 

「奴さんのお陰でお二人は出会い、なんと奴さんも来月ご結婚なさるそうです。今日は婚約者の方とお越しいただいております!」

 

紹介される奴と婚約者の存在。この時わたしは特に何も感じておらずただおめでとうという気持ちで拍手を送ったのですが、何故か同じテーブルの事情を知っている友人に「わかるよ・・・!残念だったね!」という顔をされる。うるせえよ。

仮にも自分が昔好きだった人の門出くらいは素直にお祝いしたかったのですがそんな風に捉えられるのは心外でした。奴が婚約したことよりも、2人の出会いのきっかけが奴にすり替わっていたことの方がわたしは悲しく感じました。正直奴以降に出会った男性のほうがずっと好きで奴のことは綺麗に忘れていたのでそう言った気を使われるのはすこしバカにされているようで腹が立ちました。

 

ファーストバイトと奴の紹介も終わり、披露宴が進行いていく中、また突然アナウンスがはじまります。

 

「今日会場にいらしている独身女性の皆様、サプライズで新婦様より幸せのおすそ分けがございます!!!」

 

一体誰を呼び出すのか、わたしはブーケトスなど正直好きではないし、それを新婦は知っているし、事前に連絡もなかったし、おまけに今日は訪問着にしているので呼び出されないだろう・・・と傍観者気取りで高を括っていました、すると何故か第一声で呼ばれる自分の名前。正直この時正気か?と耳を疑いました。常々彼女(新婦)とはブーケトスがいやだ、嫌いだという話をしたことがありましたが、それは無かったことになり何故わたしを呼び出すんだろうと不思議と悲しみと怒りと恥ずかしさでいっぱいでした。

方や、婚約発表を皆の目前で行われ方や独身女の晒しあげです。

この事情を知っていたはずの彼女に一体どうして?という気持ちを抱いたまま壇上にあがりました。

どうやらブーケトスではなくブーケプルズ(花嫁のブーケにリボンが何本か巻き付いていて、それを独身女性が引き当たればブーケをもらえる催し)で、正直当たる確率の低い1番目にわたしはリボンを引きました、が、なんとも運が悪い(良い?)ことにわたしの手元のリボンは花嫁のブーケと繋がっていました。

 

「こちらの女性に決定です!皆様拍手をお願いします」

 

幸せなはずの催しで、内心喜べなかったわたしはそれでも一生に一度の大事な日に水をさしたくないという思いで、奴も見守る壇上でバカみたいな作り笑顔でただ耐えました。正直そのあとは何も覚えておらず、帰りの新幹線の中で「こんなおめでたい日に素直に喜べない自分は心が汚いのか?せっかく呼んでもらったブーケプルズで素直に喜べないダメな人間なのか」と自分を責めるばかりでした。

しかしあまりに悲しいので、帰った先で別の友人に話を聞いて欲しく、外で食事をしていた別の友人に電話してその日は泊めてもらうことにしました。

事の顛末を話し、どう思う?と聞いてみると

 

「なんでその場で怒って帰らなかったの?私だったら絶対帰ってる」

 

と言われなんだかそれだけでスッキリしました。寝ている間も何故かうなされていたらしく、友人はとても心配してくれました。泣き言をいって、アホみたいなわたしを心配してくれた上に黙って泊めてくれてあったかいお風呂と布団を用意してくれる優しい友人でした。

 

さて、これが今年おこった自分の人生史上最悪の結婚式だったと思います。

仕事の都合で慣れない場所に引っ越し、そこでできた最初の友人が新婦でした。好きなものやことこそ正反対でしたが性格はそっくりで、毎日のように会って話してたくさんの場所に一緒にでかけいいことも悪いこともああでもないこうでもないと話しているのがすごく心地いい大好きな新婦でした。辛い時には支えてくれて、楽しいことは共有する本当に大好きな友人のひとりです。

しかしそんな彼女だからこそ、この仕打ちはどうしてなんだ?と感じずにいられませんでした。嫌いだと伝えていたはずのブーケプルズも、仕方のないこととは思いますが奴の婚約者の紹介もなにも目の前で行わなくていいのでは?と感じました。今は連絡もとっておらずお互いどうしているかわかりませんが元気で過ごしていることを祈っています。きっとこのことも親切心でブーケを渡してくれたのだと思いますが正直要らないおせっかいです。

 

わたしの心が狭いと思う方もいるかもしれません。正直自分でも心のこそからお祝いできなかったこと、自分に対して嫌悪感をもちます。

しかし率直に言うと正直受け入れられない出来事でした。この年の冬、別件ではありますが本当に自分の人生でこんなに悲しいことが起こるんだという事件に直面したばかりのことがあり、仕事では転勤も重なり、無理して配属先に合わせて馴染もうともがいている、精神的に苦しい年でもありました。

悲しいことは重なって起こるのかなぁと思い、この話はせめて最後の厄落としにと思って記事にしてみました。来年は自分にとってきっといい年になる、いい年にすると自分に約束したいと思います。